Article by: Rachel Wang, Aayush Seth
数週間前、私たちはアーリーアダプター向けに異常検知アラートを導入しました。そして本日(2025/3/25)、異常検知アラートが正式にオープンベータとなり、Trial、Business、Enterpriseプランの全Sentryユーザーが利用可能になったことをお知らせします。
異常検知アラートとは?
Sentryでは、特定のメトリクスが予想された閾値から逸脱した際に通知されるメトリクスベースのアラートを設定できます。例えば、エラー率が一定の閾値を超えたときや、主要なアプリケーションパフォーマンス指標が特定の範囲を外れたときにアラートを作成できます。
強力ではありますが、メトリクスのアラート閾値を手動で設定するのは複雑な作業になりがちで、しばしばノイズの多いアラートや、最悪の場合は問題の見逃しにつながることもあります。従来、Sentryでメトリクスアラートを設定するには、適切なバランスを見つけるためにかなりの推測と試行錯誤が必要であり、さらにデータについての深い理解も求められていました。
アラート詳細ページでユーザーのクエリによって定義されたカスタムメトリクスアラートで発生した異常アラートの例です。チャート上では赤色で表示され、アルゴリズムが異常な挙動を検知するとアラートが発報されます。
異常検知アラートは、予想されるパターンを自動的に学習することで、この複雑さを解消し、ユーザーは設定や推測なしでアラートを作成できます。静的な閾値を手動で定義する代わりに、異常検知アラートは過去のデータを利用して予測される傾向を判断します。これにより、誤検知が減り、アプリケーション監視時のシグナルとノイズの比率が改善されます。
さらに、静的な閾値は状況の変化によってすぐに古くなったり無意味になったりしますが、異常検知アラートは時間とともに動的に調整され、昼夜や平日・週末といった季節性や、持続的な成長といった長期トレンドも考慮します。これによりビジネスやアプリケーションが変化しても、アラートは常に適切な状態が保たれます。
仕組み
異常検知アラートは、Matrix Profiling と Prophet Forecasting という2つのアルゴリズムの組み合わせを活用しています。
- Matrix Profiling:最新のデータポイントが過去のパターンと比べてどれほど「意外」かを検出します。現在と過去のデータ系列間のユークリッド距離に基づいて異常を評価します。
- Prophet Forecasting:季節性や長期的なパターンを考慮しながら期待されるトレンドのモデルを構築し、データポイントが予測範囲から外れたときに逸脱として検出します。
- ハイブリッド検知: 両方のアルゴリズムが異常を検知した場合、または片方が高い確信度で異常を検知した場合に、システムは異常アラートを発報します。この組み合わせたアプローチにより、誤検知(偽陽性)と見逃し(偽陰性)の両方を最小限に抑えます。
今すぐ試してみよう
異常検知アラートは現在、Trial、Business、Enterpriseプランのすべてのユーザーにオープンベータ版として提供されています。
始めるには、左側のナビゲーションバーの Alerts タブに移動し、Create Alert をクリックしてください。次にメトリクスを選択し、検知方法として Anomaly を選び、必要に応じて感度を調整すれば、あとは Sentry が処理してくれます。異常検知アラートの設定方法については、ドキュメントに詳しい情報があります。
異常検知アラートのパブリックベータ版公開は、私たちのチームにとって大きな節目であり、今後もこの機能の安定化に取り組んでいきます。皆さんのフィードバックもぜひお聞かせください。ぜひ試して、ご意見をお寄せください!
Original Page: Anomaly Alerts Now in Open Beta: Smarter Monitoring, Fewer False Alarms
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