Article by: Alexandra Cota
本番環境のメトリクスを確認していると、突然ダッシュボードにエラーのスパイクが表示されます。このとき最初に考えるのは「この状況を調べるために新しいビューをどのように作ろう」ではなく、「どうすればすぐに原因を突き止められるのか」でしょう。実際、先月私たちのエンジニアリングチームの一つがAPIのレスポンスタイムに異常なパターンを発見した際にも、まさに同じ状況が起こりました。彼らはゼロからアドホッククエリを実行するのではなく、以前のインシデント後に作成していたカスタムダッシュボードを活用しました。
エラーとトレースデータの傾向を関連付けることで、彼らはすぐに原因を特定しました。それはインデックスの欠落による非効率なクエリ実行でした。迅速に修正を加えた結果、レスポンスタイムはすぐに正常に戻り、何時間も手作業で調査する必要はありませんでした。
ダッシュボードは単なる静的なレポートではありません。チームが異常を素早く検知し、シグナル同士の関連性を見つけ、問題の根本原因に素早くたどり着くための動的なツールです。
過去数か月の間に、ダッシュボードの構築、管理、操作を改善するためのさまざまなアップデートを行いました。ウィジェットビルダーの刷新から、ダッシュボードの整理・保護方法の新機能まで、設定にかける時間を減らし、本当に重要なことに集中できるようになりました。
より直感的なウィジェット作成
ウィジェットはダッシュボードの基本要素であり、私たちはウィジェットビルダーを刷新し、ウィジェットの作成・編集をより簡単かつ直感的にし、ワークフローとの統合性も高めました。
- サイドパネルデザイン:ページ遷移せずにウィジェットの作成・編集が可能です。
- ライブプレビュー:設定を調整すると即座に反映され、余計なスクロールや固定ヘッダーの操作は不要です。
- シンプルなレイアウト:視覚的な煩雑さを抑え、必要なステップが一目で分かり、クエリを素早く作成できます。
- ウィジェットライブラリの改善:ビルダーのスペースを圧迫することなく、ゼロからウィジェットを作るか、プリセットから始めるかを選択可能です。
ダッシュボードを意図した通りに維持する
リリース当日、チームはクリティカルリリースダッシュボードを注視し、問題が拡大する前に検知しようとしています。エラー、レイテンシ、スループット。必要な情報はすべてそろっているはずです。
しかし、状況が悪化し始めたとき、失敗率のチャートが消えていたり、フィルターが変更されていたり、レイテンシのウィジェットがp95ではなくp50を表示していることに気づきます。
実は、誰かがダッシュボードを編集していたのです。その結果、問題を素早く把握するどころか、表示を元に戻すために右往左往し、貴重なインシデント対応の時間を無駄にしてしまいます。
ダッシュボードは、他チームによる意図しない変更が加えられることなく、自分たちが最も重視するインサイトを正しく反映すべきです。今回の更新により、誰がダッシュボードを編集できるかを制御できるようになりました。
これにより、クリティカルリリース用のダッシュボードをロックしたり、自分のチームだけに編集権限を付与したりすることが可能です。新たに追加された「編集アクセス」セレクターにより、適切な制御が可能になり、明確な権限の線引きがチーム間の円滑なコラボレーションを実現します。
お気に入り登録とダッシュボード整理
チェックアウトフロー、認証フロー、主要APIエンドポイントなど、ダッシュボードの数が増えていくと、目的のダッシュボードを素早く見つけることが重要になります。そこで、ダッシュボードのお気に入り機能を導入しました。重要なダッシュボードをリストの上部にピン留めすることができます。
ダッシュボード詳細ページまたはダッシュボード一覧ページで⭐アイコンをクリックするだけで、よく使うダッシュボードがいつでもすぐアクセスできるようになります。
さらに、テーブルビューも追加し、ダッシュボードの整理・管理をよりコンパクトに行えるようにしました。以下の2つのビューを切り替えられます。
- グリッドビュー:カード形式のビジュアルレイアウト
- テーブルビュー:コンパクトな表形式
始め方
Sentry のダッシュボードを使えば、単なる監視にとどまらず、すぐに問題解決へとつなげることができます。トランザクションの失敗が急増しているのを見つけた際、どのデータベースクエリが遅延を引き起こしているのか、どの例外がコード内で発生しているのかを即座に掘り下げることができます。ハイレベルなメトリクスと実装の詳細が直接つながっているため、頻繁に画面を切り替えることなく、問題の特定・診断・修正が可能になります。
これらの改善は、モニタリングとデバッグをよりシンプルにするという私たちの継続的な取り組みの一環です。そしてこれは始まりにすぎません。今後数か月間でさらに多くの改善が予定されています。
この機能は Business プランと Enterprise プランのすべてのユーザーが利用できます。ぜひダッシュボードで自分だけの画面を作ってみてください。
まだ Sentry のアカウントをお持ちでない方もご安心ください。無料トライアルやデモリクエストですぐに始められます。
Original Page: Dashboard updates: Fewer clicks, more control, faster widget building
IchizokuはSentryと提携し、日本でSentry製品の導入支援、テクニカルサポート、ベストプラクティスの共有を行なっています。Ichizokuが提供するSentryの日本語サイトについてはこちらをご覧ください。またご導入についての相談はこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。