Ichizokuは日本唯一のSentry公認販売業者です。
日本語のドキュメント、動画、サポート窓口で日本のお客様のSentry活用を支援します。

【Sentry Japan】DroidKaigi初スポンサー参加で見えたモバイル開発市場の実態

Article by: Naru (Sentry Japan / Ichizoku 株式会社)

 

Sentry Japan はこれまで様々な技術イベントにスポンサーとして参加してきましたが、2025年9月、ついに DroidKaigi 初スポンサーとして出展を果たしました。Android エコシステムの中核を担う開発者コミュニティとの初接触となった今回、372名もの参加者から得られたデータは、私たちにとって極めて価値ある洞察をもたらしました。

 

 

🎰 ガチャポン体験でコミュニティを盛り上げる

今回のブース戦略の中核は、ガチャポン×コミュニティ体験の組み合わせでした。アメリカ本社から取り寄せた限定スワッグ(特にパンケーキステッカーと Sentry キャップ)を用意し、その場で抽選結果がわかるゲーミフィケーション要素を導入することで、DroidKaigi というコミュニティイベントをより盛り上げることを目指しました。

この取り組みが成功し、通常のアンケートブースの3倍にあたる372名という多くの方にご参加いただくことができました。しかし、真の価値は参加者数ではなく、その過程で明らかになった Android 開発者のエラートラッキング事情にありました。

 

 

📊 Firebase Crashlytics の普及背景:「とりあえず無料だから」の実態

 
使用状況の数字とその背景

アンケート結果では、Firebase Crashlytics の高い普及率が確認されました。

エラートラッキング・監視ツール使用状況:

  • Firebase Crashlytics: 285票(76%)
  • Sentry: 86票(23%)
  • その他ツール: 残り1%

 

しかし、参加者との会話で見えてきたのは、Crashlytics の選択理由が必ずしも機能面での優位性ではないということでした。多くの開発者から「無料でとりあえず入れている」という声を聞くことができ、Android 開発における初期導入ツールとしての位置づけが強いことがわかりました。

Sentry の認知度:70%が未認知という現実

Sentryの認知度について調査した結果:

  • Sentryを知らない + 使用経験なし: 約70%
  • Sentryの使用経験あり: 約30%

 

この数値から、DroidKaigi という日本最大の Android コミュニティにおいて、7割の開発者が Sentry を十分に知らないという現実が明らかになりました。

Crashlytics を「とりあえず」使用している開発者の多くは、より高機能なツールの存在を知らない、もしくは比較検討の機会がない可能性があります。これは、適切な機能説明があれば移行を検討する層が存在することを示唆しています。

 

 

🚀 ダッシュボード体験がもたらした「目からウロコ」反応

 
Crashlytics 単体ユーザーの驚き

今回のブースで最も価値ある瞬間は、Crashlytics しか知らなかった開発者に Sentry のダッシュボードを実際に触っていただいた時でした。

「こんなことまでできるのか!」

多くの方から聞かれたこの反応は、以下のSentry独自機能への驚きから生まれました:

  • Session Replay:ユーザーの操作を動画のように再現
  • Performance Monitoring:エラーとパフォーマンスの統合分析
  • Release Health:リリース品質の包括的追跡
  • カスタムダッシュボード:プロジェクト固有の指標可視化

 

AI 機能への期待度:開発者の半数が注目

特に注目すべきは、Seer(AI デバッグエージェント)への関心の高さでした。AI デバッグ機能への期待について、以下の結果が得られました:

最も期待される機能(複数回答):

  1. 「エラーの自動スキャンと実行可能性スコア付け」: 全回答者の50%以上
  2. 「根本原因の自動分析とコード修正提案」: 全回答者の50%
  3. 「GitHub 連携での自動PR作成」: その他の機能

 

この結果は極めて興味深いものです。Android 開発者の半数以上が、AI による自動エラー分析とコード修正支援を強く求めていることが判明しました。

これらの反応は、モバイル開発における AI 活用の潜在需要の高さを物語っており、Sentry が注力する Seer 機能が市場ニーズと完全に合致していることを証明しています。

 

 

📈 データから見える戦略的インサイト

 
市場セグメンテーションの明確化

今回のデータから、Android 開発者市場は以下のセグメントに分類できることがわかりました:

  1. Sentry 活用層(30%):既にSentryの価値を理解し、積極活用している
  2. Crashlytics 慣れ層(70%):無料という理由で Crashlytics を使用、他ツールを知らない
  3. 潜在移行層:機能を知れば検討する可能性がある開発者
 
「無料だから」からの脱却機会

「とりあえず無料だから」という理由で Crashlytics を使用している開発者層に対して、Sentry の高機能性を適切に伝えることができれば、大きな市場機会があることが確認されました。

 

 

📈 世界的なSentry利用状況との対比

今回のアンケート結果を受けて、改めて世界的な Sentry の利用状況を確認してみると興味深い対比が見えてきます。

Sentry は世界的には多くの開発者に利用されており、特にモバイル SDK のダウンロード数も堅調な成長を続けています。しかし、今回の DroidKaigi での調査結果を見ると、日本の Android コミュニティではまだまだ認知度向上の余地があることが浮き彫りになりました。

これは、単に知られていないだけで、適切に機能をお伝えできれば多くの方に価値を感じていただける可能性があることを示唆しています。

 

 

🔄 リアルタイムダッシュボードの革新性

今回のブースの隠れた主役は、アンケート結果をリアルタイムで可視化するダッシュボードでした。参加者の回答が即座にグラフに反映される様子は、多くの開発者に「技術の会社らしい」という印象を与え、Sentry ブランドの差別化に大きく貢献しました。

 

 

🎯 283名の新フォロワー獲得の意味

2日間で獲得した283名の新フォロワーは、単なる数字以上の意味を持ちます。これは Android コミュニティ内での Sentry プレゼンス確立の第一歩となりました。

372名のアンケート参加者のうち約76%にあたる283名が X フォローまで行ったという事実は、単なる景品目当てを超えた、Sentry ブランドへの本質的な関心の現れといえるでしょう。

https://x.com/SentryJapan

 

 

🎁 スワッグの人気度

アメリカから取り寄せたスワッグも大好評でした:

  • ステッカー:特にパンケーキデザインが大人気 🥞
  • キャップ:当選者の皆さんに大変喜んでいただけました
  • その他グッズ:Sentryブランドの認知向上に貢献

 

  

(掲載許可済)

 

 

💡 結論:DroidKaigi から学んだこと

DroidKaigi 初参加を通じて、Android 開発者の皆様から多くのことを学ばせていただきました。「とりあえず無料だから」という理由で Firebase Crashlytics を使用されている方が多い一方で、Sentry の機能をご紹介すると多くの方に興味を持っていただけることがわかりました。

特に印象的だったのは、Android 開発者の皆様が新しい技術に対して非常にオープンで、AI を活用したデバッグ支援にも強い関心をお持ちだということです。今回いただいたフィードバックを大切に、今後も Android 開発の皆様のお役に立てるよう努力してまいります。

 

Sentry Japan チーム
DroidKaigi 2025 参加レポート

 

 




IchizokuはSentryと提携し、日本でSentry製品の導入支援、テクニカルサポート、ベストプラクティスの共有を行なっています。Ichizokuが提供するSentryの日本語サイトについてはこちらをご覧ください。またご導入についての相談はこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

 

シェアする

Recent Posts