Article by: Naru (Sentry Japan / Ichizoku 株式会社)
Sentry Japanは2025年10月、2つの重要な技術カンファレンスにスポンサー参加しました。10月18日に開催されたHonoConf 2025ではGoldスポンサーとして、そして10月25日のVue Fes Japan 2025ではBronzeスポンサーとして、日本のWeb開発コミュニティとの接点を深める機会となりました。
1週間で2つのカンファレンス、合計90名の新フォロワー獲得、そしてサーバーサイドとフロントエンド、両方の開発者から得られた貴重なフィードバック。今回の参加を通じて見えてきた、日本のWeb開発市場の実態をレポートします。
🚀 HonoConf 2025: 急成長する軽量Webフレームワークのコミュニティ
イベント概要
開催日: 2025年10月18日
会場: オンライン・オフライン ハイブリッド開催
スポンサーレベル: Gold Sponsor
HonoConf 2025は、エッジコンピューティング時代に注目を集める軽量Webフレームワーク「Hono」の第2回カンファレンスでした。Cloudflare Workers、Deno、Bunなど、様々なランタイムで動作するHonoは、モダンなサーバーサイド開発の新潮流として急速に支持を拡大しています。
📊 アンケート結果: サーバーサイドエンジニアのエラートラッキング事情
Goldスポンサーとして、私たちは67名の参加者から詳細なフィードバックを得ることができました。
参加者プロフィール:
アンケート回答者: 67名
サーバーサイドエンジニア: 51名(76%)

Sentry使用経験あり: 40名(60%)
この数字が示すように、HonoConfはサーバーサイドエンジニアが圧倒的多数を占めるイベントでした。エッジコンピューティングとサーバーレスアーキテクチャへの関心の高さが、参加者層にも反映されています。
エラートラッキング・監視ツール使用状況

Sentry: 55%
CloudWatch: 46%
その他のツール
サーバーサイド開発者の間では、Sentryの普及率が55%と、モバイル開発市場(DroidKaigiでの23%)と比較して倍以上の高い認知度を示しました。これは、バックエンド開発においてSentryが既に標準的な選択肢として認識されていることを物語っています。
最も重視される機能

リアルタイム検知・アラート: 76%
特筆すべきは、76%もの開発者がリアルタイム検知・アラートを最重視しているという結果です。サーバーサイドでは、ユーザー影響が発生する前にエラーを検知し、迅速に対応することが何よりも重要視されていることがわかります。
💡サーバーサイド開発者との対話で見えたこと
ブースでの会話から、サーバーサイドエンジニアの方々は以下のような関心を持っていることがわかりました。
- 分散トレーシング機能への強い興味: マイクロサービスアーキテクチャやエッジ環境でのリクエスト追跡
- パフォーマンスモニタリング: エラーだけでなく、レスポンスタイムやスループットの監視
- アラートのカスタマイズ性: チーム規模やプロジェクト特性に応じた柔軟な通知設定
特にHonoのようなエッジランタイムでの動作確認や、複数のランタイム環境での統一的な監視への要望も多く聞かれました。

Vue Fes Japan 2025: 日本最大級のVue.jsコミュニティ
イベント概要
開催日: 2025年10月25日(土)
会場: 大手町プレイス ホール&カンファレンス
参加者数: 約750名(前回実績)
スポンサーレベル: Bronze Sponsor
Vue Fes Japan 2025は、Vue.js日本ユーザーグループが主催する日本最大級のVue.jsカンファレンスです。Vue.js作者のEvan You氏が立ち上げたVoidZero社のプロジェクト(Vite、Vitest、Rolldown、Oxc)や、最新のVue 3.6のVaporモードなど、フロントエンド開発の最先端トピックが集まるイベントとなりました。
フロントエンドコミュニティとの接点
Bronzeスポンサーとしての参加となった今回、アンケートは実施できませんでしたが、ブースでの対話を通じて印象的だったのは、Vue.jsコミュニティの皆様のSentryに対する認知度の高さでした。
多くの方が既にSentryを使用されており、フロントエンド開発における標準的な監視ツールとして定着していることを実感しました。Vue.jsというモダンなフロントエンドフレームワークのコミュニティにおいて、Sentryが広く受け入れられていることは、私たちにとって大きな励みとなりました。
2イベント合計: 90名の新フォロワー獲得
HonoConf 2025とVue Fes Japan 2025を通じて、合計90名の新しいフォロワーの方々にSentry Japanに興味を持っていただくことができました。1週間という短期間で、サーバーサイドとフロントエンド、両方のコミュニティとの接点を持てたことは、日本市場でのSentry認知拡大において重要なマイルストーンとなりました。
サーバーサイド vs モバイル: エラートラッキングの成熟度の違い
HonoConfでの調査と、前回のDroidKaigiでの調査を比較すると、興味深い対比が見えてきます。
サーバーサイド開発者(HonoConf)
- Sentry認知度・使用率: 55%(高い)
- 重視ポイント: リアルタイム検知・アラート(76%)
- 関心領域: 分散トレーシング、パフォーマンス、アラートカスタマイズ
モバイル開発者(DroidKaigi・前回レポート)
- Sentry認知度・使用率: 23%
- 重視ポイント: リアルタイム検知・アラート(同様に高い)
- 関心領域: AI機能(Seer)、Session Replay、クラッシュ分析
この違いは興味深い市場の成熟度を示しています。モバイル開発においては、Firebase Crashlyticsがスタンダードとして広く使われており、基本的なクラッシュレポーティングのニーズは十分に満たされています。一方で、より高度なカスタマイズや詳細な分析、チーム規模でのワークフロー統合を必要とする開発チームが、Sentryを選択しているという構図が見えてきました。
これは、Sentryがエンタープライズレベルの要求や、複雑な開発環境におけるニーズに応える存在として位置づけられていることを示しています。
💭2つのカンファレンスから学んだこと
コミュニティごとの異なるニーズ
技術カンファレンスのスポンサーシップを通じて、各コミュニティが持つ独自の文化と課題が見えてきました。
- Honoコミュニティ: エッジコンピューティング、マルチランタイム対応、パフォーマンス最適化
- Vueコミュニティ: 既にSentryが広く浸透しており、フロントエンド開発における信頼されたツールとしての地位
それぞれのコミュニティに対して、Sentryの異なる側面を強調することで、より効果的なコミュニケーションが可能になることを実感しました。
オープンソースコミュニティとの関係構築
両カンファレンスとも、オープンソースプロジェクトを中心としたコミュニティイベントでした。こうしたコミュニティとの関係は、製品の押し売りではなく、共に技術を盛り上げる仲間としての参加が何よりも重要であることを改めて認識しました。
Sentryも元々オープンソースプロジェクトとして始まった経緯があり、こうしたコミュニティの価値観と自然に共鳴できることは、私たちの大きな強みだと感じています。
🚀 今後の展望
HonoConf 2025とVue Fes Japan 2025への参加を通じて、日本のWeb開発コミュニティには、Sentryの価値を理解し、活用してくださる潜在的なユーザーが数多くいらっしゃることが確認できました。
今回得られた知見を活かし、今後も:
- 各技術コミュニティの特性に合わせた情報発信
- 日本語ドキュメントとコンテンツの充実
- コミュニティイベントへの継続的な参加と貢献
を通じて、日本の開発者の皆様により良い開発体験を提供できるよう努めてまいります。
Sentry Japan チーム
IchizokuはSentryと提携し、日本でSentry製品の導入支援、テクニカルサポート、ベストプラクティスの共有を行なっています。Ichizokuが提供するSentryの日本語サイトについてはこちらをご覧ください。またご導入についての相談はこちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。



